上の世代とのコミュニケーションについて

野村:さて、堅い話ばかり続くのは避けたいので、次に個人的に聞きたいことを聞かせてもらいます。私も30歳を過ぎていて34歳ですけれど、30代というのは家庭や仕事、あるいは社会などでポジションが付いてくる年代です。

その時に困るのもののひとつに、年上とのコミュニケーションというのがあると思います。お局的な人にいびられる、どうしても気に入らない上司がいるということが日常茶飯事になっていると思います。また実際、若年層が会社を退職する理由の大半が、「人間関係」であるとのデータもあります。

失礼かもしれませんが、若くして政治家や青年会議所の理事長などをされていたみなさんには、あらためて拝見しても「ジジババ転がし」の才能があるように感じます。そこで、どうやったら上の世代の人達とうまくコミュニケーションが取れるのか、あるいは「こういうことを努力している」という点をよろしくお願いします。

小原:なかなかおもしろい質問をありがとうございます。
私が自衛隊に入った時に思ったことがあります。自衛隊の世界というのは、上司が言ったことはすべて受け入れていかなければいけないというところがあります。目上の方々や上の世代の方々に敬意を表すのはやはり基本だと思います。この一線を持っていていれば、そして一生懸命やっていれば受け入れてもらえやすいなと思います。

私は体育系でバスケットボールをやっていて、そして大学時代はチアリーダー部に入っていました。ここでも上下関係が厳しくて、先輩方から厳しい指導をもらったりするとやめたいなと思うこともありました。この世界に入った後でも、年長者の方から厳しいことを言われることがありますけれども、その時は気持ちのもちようで、ありがとう思うくらいの気持ちです。たとえ、こんちくしょうと思ってもそこから何かを学んでいくことが大切だと思います。そうしていると、またかわいがってもらえるというようなサイクルを形成できるように思います。

常に謙虚な気持ちと感謝の気持ちを持つことが大切だと思います。そうしていれば、最終的に上手くまわっていくのかなと思います。けど、本当につらい時には同級生や友達に相談して言いたいことを言い合える人がいることが大切だと思います。

横粂:目上の方から好かれる、目上の方から色々教えて頂けるというのは、人生にとって素晴らしきことだと思います。私はこの世代でやってやるんだと思いながら、目上の方々を排除とは思っていなくて、やはり、先輩方の知恵と経験を頂く。先輩方は知恵と経験、私たちは若さと情熱、バイタリティ、役割分担という感覚を持っています。先輩方から学ぶべきものは多いという事実をまず受け止めることが大切だと思います。あとは、先輩方又は有権者の方から苦情を言われる、政治家というのはなぜか嫌われる職業で、街頭に立っていても野次など色々言われるんですけども、言われたらそこですぐ反発しない、返さない。私は話しかけてくれた方は無視するよりも、興味があるから話しかけてくれているわけですから、一番怖いのは無視されることであったり、ここで面白いことを言ってもシーンとされることだと思います。何か言ってくれたということはチャンス、何か言ってくれた時にはもう返さないぞというくらい、ありがとうございます、ありがとうございますと言いながら、でも卑屈になりすぎてもダメなので、自己主張をしながら、そして意見を闘わせる。そして最後は、横粂は嫌いだけどしょうがないみたいな形で帰ってもらう。何か上から言われたとしても決してその状態で帰さない。少しでもプラスな状態に持っていくことを心がけたらいいかなと思います。

あとは30代ですと、上にあたいする人は40代、50代、あとは60代、70代、80代だと思います。この中で一番仲良くなりたいのは60代、70代、80代の方々です。40代50代にとって、30代というのは怖い存在だと先程お伝えしました。頑張っていると可愛がられやすいのは60代から80代にかけてだと思います。まず、その層に可愛がってもらって40代50代の方々に、横粂くんをいじめるなと言ってもらう。そんな技も必要かなと思います。極秘事項なのでシークレットでお願いします。

吉岡:私は仕事の方は一人でやっているので上司も部下もいないのですが、そんな中で、年下と年上、どちらかと言えば年上の方と付き合うことの方が好きです。年下の方とは何をしゃべっていいのか分からないというのがあります。青年会議所活動のなかでは、私はほとんど一番上くらいですけども、やはり年下とはどのように接したらいいのか分からないということが多いです。

そんな中、年上の方、先輩には可愛がって頂いたなと思っています。振り返って思う事は、よくわがままを言っていたなと思います。先程の話に戻り、意志疎通の話になるのかなと思いますが、どちらかが言わないと返ってこないと思いますので、年下からわがままを言うことの方が楽なのかなと思います。

山添:まさに直属の上司、議長がいらっしゃるなかではなかなか言いづらいことです。私が選挙に当選し議会に入った時、諸先輩方がとても怖いという印象を受けました。なぜなら、陰口を言われていることは聞くけども、対面で話をしてくれる先輩がいなかったからです。議会に入るまでは目上の方と付き合うことはあまりなかったので、私の先輩付き合いのスタートはそんな印象で始まりました。

そして2年間が経つなかで思う事は、先輩方が持つ知恵や経験はやはり深いものがあるなと言うことです。そんな中、自分の役割は先輩方が持っている知恵や経験を享受しつつ、自分が持っている発想力などをしっかり伝える努力をするということだと思っています。例えば、この30歳の成人式というイベントもなかなか奇抜なものであるにも関わらず、議長に出席をお願いすると「よし分かった」と本日も出席をしてくれています。このように、自分が感じていることや思っていること、発想したことを自分から伝えていくことから始めると良いのではないかと思います。それは敬意の表し方のひとつだとも思います。

野村:みなさんありがとうございました。少しくだけた話をしていただきました。この場にお集まりの30歳のみなさんにも参考になる点が多々あったのではないかと思います。


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パネリスト&司会プロフィール(敬称略。2012年3月末時点)

  •  小原 舞

    衆議院議員。民主党所属。2009年の第45回衆議院議員総選挙で初当選。公式サイトはこちら

    •  横粂 勝仁

      衆議院議員。弁護士。新党「改革の志士」代表。2009年の第45回衆議院議員総選挙で初当選。公式サイトはこちら

      •  吉岡 宗典

        2011年の宮津青年会議所理事長。土地家屋調査士。吉岡宗典登記測量事務所所長。

  •  山添 藤真

    2011年度30歳の成人式実行委員会の委員長。京都府与謝野町議会議員。2010年与謝野町議会議員選挙で初当選。公式サイトはこちら

    •  野村 歩

      「30歳の成人式推進委員会」メンバー。プランナー。地域活性化への寄与を目的とする合同会社プブリカ共同代表。